手巻きタバコの人

手巻きタバコについてあれこれと

「ほっこり」の街のシャグ【マックバーレン ハーフスワレ】

1826 年に開業した小さなタバコ製造会社から、北欧最大の民間タバコ会社にまで成長した「マックバーレン」。デンマークのパイプたばこの名門として有名です。今回取り上げる「マックバーレン」は、会社名がそのままシャグの銘柄です。マックバーレンが製造しているシャグは、「CHOICE (チョイス)」「AMSTERDAMER (アムステルダマー)」「CAPORAL (カポラル)」など、日本でも馴染みのあるシャグを製造しています。

世界を見ると、タバコ製造メーカーも合併と買収が行われており、マックバーレンは、スカンジナビアン タバコ グループに属しており、業界内で時価総額で13位という大きなグループの傘下です。ちなみに、1位はPhilip Morris International Incで、われらの日本たばこ産業は5位と外国勢に引けを取らない勢いがあります。(ランキングについては、改めて記事にします)

「ほっこり」の国デンマーク

デンマークと聞くと北欧の一国であり、風景が美しく、青い海や緑の草原が印象的で、「牧歌的なゆっくりとした時間が流れている北欧の国」というイメージがありますが、世界でもトップクラスのデジタル先進国であり、政府のデジタル化や国民のデジタルサービス利用率が高く、1968年から個人番号制度を導入しており、国民の94%が利用おり、日本よりデジタル化が浸透してます。

デンマークは、日本と同じように医療保障・失業給付・老齢年金・育児休暇など日本と同じような政策がありますが、教育システムは義務教育から高等教育まで無償(大学・大学院も含む)という太っ腹な部分があります。幸福度ランキングの上位にあるデンマークですが、幸福度の尺度として安心できる生活と保障と共に「教育の無償」は、重要な項目だと気づかされます。デンマークは心地よい生活空間の創造、持続可能な社会システム、高い生活水準など、様々な面で先進的な取り組みを行っている国です。

デンマークでは「ヒュッゲ」と概念があります。日本で近い言葉で表すなら「ほっこり」というのが近いのかもしれません。

ヒュッゲ(Hygge)は、デンマーク語で「居心地がいい空間」や「楽しい時間」を表す言葉です。北欧の人々は、寒い冬の季節に家族や友人と一緒に暖かく過ごすことを重視し、ヒュッゲな瞬間を楽しむことを大切にしています。キャンドルやファイヤープレイスの火、柔らかなブランケット、美味しい飲み物や食べ物、心温まる会話や笑顔、リラックスした雰囲気など、ヒュッゲな時間の要素です。

また、ヒュッゲは、単に居心地の良い空間を作り出すだけでなく、日常の中に小さな幸福や喜びを見つけることを意味します。この概念は、忙しい現代社会でストレスや不安が増える中で、人々が自分自身や他者との繋がりを大切にし、心の平穏を求める事を反映しています。

日本で言い換えると、家族や友達とコタツで過ごす時間が近いのかもしれません。時間を気にせず半纏を着てコタツに入り、みかんを食べながらお茶を飲むのは、何とも言えず「ほっこり」して幸せです。

日本にも「ほっこり」と時間を過ごす事はありますが、異なるのは点は「おしゃれさ」かと思います。

「北欧デザイン」と呼ぶように、デンマークは秀逸したデザインや世界的にも有名なデザイナーが多く存在します。日本のデザインと共通している点もあり、伝統文化を大切している、ミニマリズム(詫びさび)など、シンプルで機能的なデザインは共通しています。

ただ、少し異なる点があるのは、デンマークのデザイン特徴は

  • 自然からのインスピレーション:北欧の自然や風土から影響を受けた、温かみのあるデザインが多い。
  • 上流階級だけでなく、一般の人々も良質なデザインに触れられるように努力してきた
  • 長い冬を家の中で過ごす北欧の生活様式から、家の中での快適な暮らしを重視

つまり、デンマークの北欧デザインは機能性とミニマリズムを基本としつつ、自然との調和や誰もが使えるデザインを目指してきたと言えます。

アルネ・ヤコブセンボーエ・モーエンセン、ハンス・J・ウェグナーなど、世界的に有名なデザイナーが多数輩出されています。

 

マックバーレン ハーフスワレについて

マック・バーレンという銘柄では6種類の手巻き用シャグがあります。「アメリカンブレンド」「オリジナルバージニア」「ピュアタバコ」「バージニアブレンド」「スワレ」と今回紹介する「ハーフスワレ」があります。ハーフスワレのシャグでも代表的な銘柄の一つになると思います。

マックバーレンのシャグは「シルクカット」されており、とても巻きやすく、均一な巻き心地があります。

  • シルクカットとは、シャグを非常に細かく刻むことで、通常のシャグは約0.3~0.6ミリ程度の刻み幅ですが、シルクカットのシャグは更に細かく刻まれ、まるでシルクのような滑らかな質感になります。この細かい刻み幅により、シャグの燃焼が緩やかになり、味が明確に表れるます。ただ、「細かければ細かいほどいい」という訳ではなく、あまりに細かくカットすると、シャグを詰め込みすぎ吸えなくなります。「美味しく吸う」というのは、適度に煙と空気が混ざり合うのも重要です。私は、銘柄によっては、シャグをハサミで「チョキチョキ」と切っていますが、上記のような失敗をすることがあります。メーカーとしては、製品の状態が最高の品質なので、お勧めはしませんが、カットして細かくしてあげたほうが味をしっかりと感じ取れる銘柄もあります。最適にカットされているシャグは、吸った時に「吸いやすさ」を感じ取れます。荒いカットのシャグと比べると、明確に違いが分かるほど異なります。ただ、荒いカットのシャグが品質が悪いというのではなく、大き目にカットされているシャグのほうが、味を感じるものもあるので、一概にどちらがいいとは言えません。難しい所です。

マックバーレンのハーフスワレはバージニアタバコとダークファイヤーキュアード(火力乾燥処理)されたケンタッキータバコを混ぜて作られた伝統的なオランダのブレンドです。いわゆる「かつお節感」のブレンド具合です。ハーフスワレだけも、いろいろな銘柄がありますが、同じハーフスワレを吸い比べると、「かつお節感」が全面に現れるので、バージニアだけのシャグを吸い比べるより、味や印象の違いがはっきりと分かりやすいです。

マックバーレン ハーフスワレ シャグ

開封すると固まりになっていますが、手で触ると「ぽろぽろ」と解れるくらい柔らかく固まりになっています。シルクカットで均一にシャグをカットしている為なのか、シャグが絡み合っておらず、とても扱いやすいです。シャグの中には、粉状になった葉の残骸があるのもよくありますが、それがほとんどありません。カットした時に出てくる粉状は除いているのではないかと思わせる程です。カットが荒いシャグで枝や茎が含まれていると品質に悪い印象を持ってしまいますが、「くず」が含まれていないだけも、何故か品質に信頼がおけます。さすが、老舗の由緒あるメーカーだけに細かい所まで目が行き届いていると思わせてくれます。メーカーホームページでも「シルクカット」という紹介があるので、技術的にも独自のカット方法なのかと思います。香りは、ハーフスワレなので「かつお節」の香りはするのですが、鼻を突きさすような香りではなく、ほんのりと甘く、異国情緒感を感じさせない全く嫌味のない香りです。この程度の香りでしたらビニール袋で梱包すれば、バッグの中に入れても、他のものに匂いが移らない程度だと思います。

手で触るとしっかりと加湿されているのがわかります。今回はさらに加湿をしたいので、3分の1程度をほぐしていきます。ほぐしてみるとわかるのですが、「シルクカット」というように、ほぼ均一にカットされていて扱いやすいです。

付属のペーパーもついています。厚手のペーパーでよくある漂白ペーパーです。これは、加湿をさせた時に使用します。

リコリスのペーパーと相性がいい」というのを聞きましたが、スワレの良さを味わいたいのでスローバーニングのペーパーで巻きます。

とても滑らかで柔らかく吸いやすいです。ハーフスワレ特有の「かつお節」はあるのですが、上品な「かつお節」です。ハーフスワレは複雑な味の中に、後味に苦みを感じますが、その苦みがほとんどなく、甘くてまろやか感じです。時々、後味に若干の酸味を感じます。煙の香りもいいので、お金持ちもマダムが吸っていても納得しそうな雰囲気です。「かつお節」のパンチ感を求める人には、若干パンチが足りないかもしれません。ただ、吸っていて飽きがこないので、きっちり最後まで吸いたくなります。癖の強いハーフスワレは「美味しい」のですが、ずっと吸っていると飽きて消してしまう事があります。そんな気持ちにならないので、初心者の方や普段使いのシャグにも向いているように思います。

 

普段使いにも、初心者にも、女性にもお勧めできるシャグだという印象でした。