「革命家 チェ・ゲバラ」をパッケージデザインに、ハーフスワレの定番の銘柄になっています。「チェ・ゲバラ」について書くと、別方向の内容になってしまうので割愛しますが、知的で折衷的な読書家であり、「止まらない欲望の資本主義」の現在を見たら、何と言うのか気になります。
「チェ・ゲバラ」の顔のハイコントラストのモノクログラフィックは、ナイキやマクドナルドのロゴマークと同じくらい認識されており、時代を超えて超越的な人物だと思い知らされます。そんな人物を名前にしたシャグについてです。
チェ・ブルー(che Blue)
販売価格 | 680円 |
内容量 | 25g |
生産国 | ルクセンブルク |
チェ・ブルーについて
キューバ革命の革命家である「チェ・ゲバラ」をモチーフにしているので、北米か南米の会社が製造しているのかと思い込んでいましたが、製造はヨーロッパのルクセンブルクにあるLandewyck Tobacco社が製造しています。創業は1847年と古い歴史を持つ会社で、Landewyck という会社の名前は、創業者が妻の名前を社名につけ、Landewyck という名前にしたそうです。愛と夢のあるいい話にです。現在では、ドイツ、ルクセンブルク、ベルギー、ハンガリーに施設を持ち、世界 30 か国以上に輸出しており、「チェ」以外にも、いろんな「タバコ」を製造しています。今回、取り上げている「チェ」は、2000年に誕生しているので、比較的新しいタバコになります。
では何故、ヨーロッパの国が、「チェ・ゲバラ」をモチーフに用意たのかというと、ブレンドするタバコの葉に、キューバ産のバーレー種のタバコ葉を使用しているおり、キューバの英雄である「チェ・ゲバラ」を名前に付けたそうです。会社のHPにも「ブレンドが全て」と書いてあるので、銘柄の特徴としてタバコ葉のブレンドに、とても重点を置いているのが伺えます。
余談ですが、今回のブログを書くまで「ルクセンブルク」という国について、全く関心を持つ事がなく、調べてみたらとても興味深い国でしたので、豆知識程度に書きます。
ベルギー、フランス、ドイツに囲まれた小さな国で、正式国名はルクセンブルク大公国。 面積は日本の神奈川県程度に、国土のほとんどが豊かな自然で覆われており、首都ルクセンブルク市は、切り立った崖の上に建つ中世の古い要塞の町として有名な町です。
「一人あたりのGDPが世界一」、つまりお金持ちの国です。分かりやすく公務員の初任給で表現すると、学歴の内容にもよりますが、月給60万円、一戸建ての家の金額が一億円、街中でのwi-fiは無料、電車も無料です。また、公用語がフランス語、ドイツ語、ルクセンブルク語と3ヶ国話すことが出来ます。どうして「お金持ち」なのかというと、小国なので隣国からの労働力で国が回っていること、また金融機関が多い街が理由です。みずほ信託銀行、三菱UFJ信託銀行、野村グループ、楽天、ファナックをはじめとする主要な日本企業がルクセンブルクで活躍していると聞くと納得します。治安もよく住みやすい街ですが、「ルクセンブルク駅周辺の裏通り界隈は、麻薬の密売人が活動しているほか、売春、高額な料金を請求するバーの類が存在し、国内では最も治安の悪い地区と言われています」という情報を見ると、どの国でも同じような所があるのだと感じました。
チェ ブルー シャグについて
開封してみると、保湿剤を含んでいるせいかでシャグが固まりになっていました。からからに乾いてしまって加湿が必要なシャグより、消費者思いな所が好きです。遠路からはるばる私の手元まで運ばれて来たと感じさせてくれます。
軽い力で簡単に割れます。個人的には、こんな風に割れてくれるシャグは、使いたい量が調整しやすいので好きです。これを、手でほぐしていきます。
パッケージに「HANDSTRIPPED」(ハンドストリップ 手でたばこ葉の中骨を取り除く作業)と書かれてあるように、均一なシャグで茎や葉脈などが含まれていません。刻み幅も細かく扱いやすいシャグになっています。
この時点でハーフスワレ特有の、かつお節臭やスモーキーな香りが複雑に混じり「正露丸かつお節風味」のような香りがします。燻香の濃度が濃い為なのか、他のスワレのシャグとも異なる独特な癖がある香りです。スワレが好きな方でも、この癖のある香りの濃度により「好き」「嫌い」が別れると思います。
「チェ ブルー」の説明にを調べると、
「チェ・シャグ・ブルーは、ヨーロッパ伝統のブレンドを基本にし、ファイアキュアード原料を主体に、コクのある深い味わいの手巻たばこです。」
この文言をよく見かけます。知識が何もなかった為、タバコを選ぶ時、「何となく」で選んでいましたが、この「ハーフスワレ」の特徴を理解すると、漠然としていたタバコの葉について、多少なり道しるべが出来ると思います。以下に簡単ですが用語の説明を書いてます。(間違いがありましたら、ご指摘して頂けると幸いです。
用語説明(ご存じの方は飛ばしてください)
スワレ
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オランダ語で「強い」をしています。
ハーフスワレ
ダークファイアキュード
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タバコの葉が黒っぽい色になるまで、長時間のファイアキュード(火力乾燥処理)を施した葉のことで、具体的には生木を燃やした上で乾燥させてその香りをつけた葉の事を指します。
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鰹節の様な芳醇な香りに、奥深い凝縮された旨味を持つ。燻製のような香ばしい風味。
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ファイアキュアードされた葉を用いたブレンドが、ハーフスワレと呼ばれています。
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スワレ系の特徴は、何といってもその燻したり得る深みのあるスモーキーさです。
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ヨーロッパで人気の高いファイアキュアード製法を用いて作られたタバコ
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バーレー、バージニア、オリエンタルなどの強めのタバコ葉をブレンドしており、 これにより、スモーキーな香りと深いコクのある味わいが特徴
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複雑な風味と強いキック感があり、重めの喫味を好む喫煙者に人気
「チェ ブルー」は、 バーレー、バージニア、オリエンタル、メリーランド葉のブレンドのようです。
「che」の付属のペーパーは上質です。薄さも極薄でcheも透け透けです。さらにスローバニング。ハーフスワレを存分に味わうには、最適のペーパーです。良質のペーパーも付いていて値段も控えめで文句なしです。
吸ってみると、ハーフスワレの持つ独特の燻製香が立ち込めます。「フワッ」と香るのではなく、「ドン」という感じで豊潤でスモーキーな香りで、強めのタバコかと思います。特に、着火した一服目に香りが飛び込んでくるように感じます。吸い進めると、キック感も次第に慣れてゆき、辛味や苦みなど複雑な味わいがあります。ハーフスワレのシャグ全般に言えるのですが、すぐに煙を吐き切るのではなく、口の中や鼻孔などで煙をゆっくりと味わうと、複雑な喫味を感じ取れると思います。
ハーフスワレが好きな方は、この「臭さ」がいい所だと感じている方も多いと思います。ただ、この香りが、部屋の香りや車香りだとしたら、「いい香り」とは言いにくいです。バックの中に入れていたら、「かつお節+正露丸」の香りで埋め尽くされます。部屋も車も洋服も、この香りがして、民族衣装や世界の伝統的な物が飾られた部屋に住んでいる方がいたら、「人生で大切な事を見つけて掴んでしまった人」と感じてしまいそうです。
「好き」「嫌い」が分かれる種類のシャグの為、全ての方に「おすすめ!」とは言いずらいですが、ハーフスワレなどの癖のあるシャグを吸ってみると、バージニアの持つ甘みなどを改めて感じることができ、それぞれが持つ特徴や奥深さを発見できます。